日常茶飯事のおぼえがき

うつわ継ぎ 山鳥

民藝を中心とした普段使いの器の修理をしています 
お問い合わせはPC表示にてCONTACT US(BLOG MAIL)から受付しております。
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お直し問い合わせとうつわ送付方法について

    

 

当ブログはじめSNSで「うつわ継ぎ山鳥」を見てくだりありがとうございます。おかげさまで全国からお問合せをいただくことが多くなりました。個人で活動するためにネット環境は不可欠ですがその便利さを実感し、仕事をいただけるありがたさをかみしめています。あらためて問合せ方法についてご案内申し上げます。

(blogはサイトトップとプロフィール欄に、インスタグラムではプロフィール欄に記載しておりますのでこちらもご参照ください)

 

*blog「日常茶飯事のおぼえがき」からお問合せ(PC用の表示が必要です)

ブログ右サイド「CONTACT US」にお名前とアドレス、お問合せ内容を入力し送信→うつわ継ぎ山鳥の連絡用アドレスに転送、こちらから指定アドレスへ必要事項等の返信

 

*Facebook「うつわ継ぎ山鳥」からのお問合せ

「メッセージを送信」をクリックし、お問合せ内容入力後送信

 

どちらも修理の見積もりが必要な場合は破損状態がわかる画像を添付していただけると助かります。

ご依頼がお決まりの方はメール以外の連絡先(ご住所またはお電話番号どちらか片方でも結構です)をお知らせください。過去に送付先をお伝えしたあとご連絡がないことが数度あり、セキュリティー対策としてお願いしております。

またInstagramでこちらからフォローしている方以外のDMお問い合わせは画像の拡大機能がないため受付しておりませんのでお手数ですが上記いずれかでご連絡くださいませ。

 

修理のうつわを送っていただく場合、破片は張り合わせず新聞紙またはプチプなどの緩衝材で包み、箱に詰めた後、振ってもうつわ同士が動かないよう間にも緩衝材を挟んでください。小さなかけらはファスナー付きの小袋またはティッシュなど柔らかいもので別に包んでください。

 

修理期間は小さな欠けや接合でひと月ほど、大きな割れですと半年以上かかります。

お預かり順に修理をしていますが現在お返しまで数か月ほどお時間をいただいています。

 

ご不自由やご面倒をおかけすることが多く恐縮ではございますが、以上ご了承くださいますようお願いいたします。

- 23:03 comments(0)
今年もよろしくお願いします

                              

 

 

年賀状は準備が大変ですがいただくとうれしいもの。

夫は会社関連やごく親しい友人と親戚に、わたしはここ数年出せたり出せなかったりで、やり取り続いている方が随分減りましたが先ほどようやく自分の年賀状を投函してきました。SNSで日付が変わる瞬間に新年の挨拶ができるようになっても出さないことに後ろめたさが残る世代です。

同じころに子が生まれ成長した姿を写真付きでやり取りしていたころから時間を経て、家族を省き自分の名前で出すようになったというのも、今までの場所から自立し自分の道を歩みなおすような気持にもなりました。

「自分の道」と書くと大げさな感じもしますが、お母さん一辺倒だった役割が少しずつそれ以外の役目を担うようになり、他に居場所があるというのはとてもありがたいことです。特に継ぎの仕事を受けさせてもらうようになってから、誰かの役に立っている充実感が外へと広がり、家庭内に収まっていた枠も日増しに大きくなっています。

 

うつわを直す。骨董でも美術品でもなく普段使いを直すことにこれまで以上の注目が集まっています。

日々の暮らしを共にする道具、自分の生活の営みを象徴するものとしてうつわの地位が高くなり、新しく買い換える以上の金額を払っても直しを依頼する気持ちは私もずっと持っているのでとてもよく分かります。

依頼があれば大抵のものは引き受けますし、それが自分の好きなもと共通点が多いと親近感も沸き、作業をしている時間がとても愛おしいのです。

しかし逆側から見ると、自分の手がけるものは時間や材料費などから考えてもったいないからという理由では設定できない価格なので、時々ほかの方の簡易直しを拝見する機会があるとニーズの多さに心が揺れることがあります。

 

そういう時に自分の役割を考え、軸の先を探します。

土地の土で作られたもの、必要な要素がそぎ落とした先に辿り着いたもの、長い年月をかけて愛されたもの。この先も人生のそばに置きたいと思うものに向き合うために、先人の技や生活に思いを馳せ、通過地点にいるということを意識しながら取り組んでいくというところに理想があります。淘汰されながら変わらないもの大切にして受け止め、多くのなかから選んで問合せしてくださる感謝を持ち、その後の使用が美しいものであるように心を砕く。作業は淡々と進めていくことを旨とし、理想は永遠に続く絨毯のように常にある下敷きとして心がけていきたいと思います。

 

本年も変わらず精進してまいります。どうぞよろしくお願いします。
 

other 15:13 comments(0)
2016

                

今年も残すところあと2週間ほどとなりました。

数年前、私物や昔からの友人の物など気軽な身内の預かりから始めた器修理は、友人や人づてでより多くの方にご紹介していただき、毎年数ページ余裕を残して終了していた記録のファイルも今年は一冊では収まらないほど沢山のご依頼がありました。

まだまだ拙い技術であるにも関わらず、出来上がりを楽しみに待ってくださることに感謝いたしますとともに預けてくださること心からお礼申し上げます。

新しく買い換えるより、修理を選んでいただいたことへの責任はとても重みがありますが、捨てるしかなかったものが手当で蘇生し、お返し後、再び食卓で使われることに喜びを感じます。また最近はその由来も多岐にわたり、何百年も前に作られたもの、ご本人作のもの、由緒あるものなど、本来ならあまり自分の生活では縁のないものが手の中にあるというのは、格別のうれしさを感じるひと時です。

一部の人にしか馴染みがなかった「金継ぎ」という言葉も、この1〜2年ですっかり定着してきた気がします。

直しができる方もたくさん増えました。また古典的な方法以外に新素材を使う手法で、少し前までは伝統工芸経験者や修復士が中心だった世界がより身近に感じられるようになりました。

私は漆や砥の粉の艶や質感がとても好きで、直す材料も昔から使われているものが中心になりますが、自然界最強接着強度のある漆でも破損の箇所や状態によっては化学材料の補助が必要なときもあるので、それぞれの特性を生かし不足は補って一番使いやすい状態でお返しできるよう、これからも日々技術を磨き、勉強を重ね精進していきます。

修理完成後のうつわの様子はインスタグラム、ツイッター、フェイスブックなど複数の媒体で発信しているので、自分なりの修理に対する内面の思いが中心になるブログは更新がかなり怠慢な状態ですが、今後とも細々と続けてまいりますので気長にお付き合いいただけると幸いです。

repair 22:08 comments(0)
河井寛次郎記念館へ

 

先週は法事で大阪へ。

前日少しだけ時間があったので京都で新幹線を降りて

大混雑の駅前から路線バスに乗り、

以前から行きたかった河井寛次郎記念館を

初めて訪れました。

 

入館してみると受付の職員の方以外人はおらず

落ち着きのある空間を独り占めして堪能、

贅沢な時間を過ごしました。

道すがら車窓から見た寺や博物館には

どこも観光客が大勢いたのとは対照的で、

なんとも心が落ち着く素晴らしい場所でした。

 

自作の自在鉤や餅花が飾られ友人も寛いだ囲炉裏端、

手仕事の美しい収集品、丸い石が置かれた中庭、

神々しいほどの登り窯、

夏の展示替えをしたばかりの作品など、

記念館ならではの見応えあるものばかりでしたが

特に惹かれたのは作陶を行った仕事場や

日々の食卓のうつわ、

水回りなど普段の生活の場だったところです。

 

横で見守ってくださる存在を感じながら仕事を

されていたのだろうかと想像しながら

ガラスにへばりついて。

一つ一つが落ち着き払って清々しい仕事場。

 

 

 

自由に心を解放した作品と対照的に感じた日常のうつわ。

料理を引き立て使いやすそうな色合いで、

どれも控えめな品のあるものばかり。

 

 

 

使われていた当時も隅々まで気持ちが行き届いていたに違いないと

感じた水回り。

水屋も残っているのであれば拝見してみたい。

 

縁あって民藝という枠に関わり深いものを

買う機会が多くなったのですが

自分の中でなんとなく言葉だけが独り歩きしてしまって、

あまり深く考えてきてはいませんでした。

この2,3年ほどは少しずつ勉強する機会も増えて、

単に気に入ったものを手元に置くだけではなく、

その奥にあるものを自分の目で見られるようになるために

先人たちが大切にしてきたものを取り入れ

租借したいと考えていたこともあり、

とてもよい刺激になりました。

 

 

 

 

 

 

 

go out 12:07 comments(0)
直し






修理の種類にはひび(にゅう)、割れ、欠け、欠損、ほつれなどがあります。
お預かりしたものは、接着に小麦粉(強力粉とグルテンを混ぜています)に水分を加え生漆と練り合わせた麦漆、欠損やほつれ埋めには錆土(山科産の砥の粉)に水分を加え生漆と混ぜ合わせた錆漆を使っています。
基本漆仕上げでお返ししていますが、加飾の必要があれば銀や金の蒔きを施しています。

割れて接合した場所には麦漆が、ほつれや欠けで錆土を乗せた部分は錆漆が足がかりとなるので、しっかりと硬化した後、塗った漆は丈夫さを保ち比較的はがれにくくなります。
またヒビに希釈した漆を筆でなぞっていくと毛細管現象で割れた部分に漆が染みわたり、硬化することで接着が完了します。漆は自然界最強の接着力がありますが、その力全てを発揮できるのは完全に乾いてからで、それまで時間がかかるのでお預かりしてからお返しするまで、数か月お時間をいただくこともあります。
完全に乾いた漆でかぶれることはありません。

民藝の窯元で作られたものを多くお預かりするのですが、その土地で採取された土で作陶されたものを直して感じるのは自然のもの同士相性の良さで、接合した線の蒔きをしなくても漆仕上げのままでお互いの良さが引き立ちますし、またその素朴さが毎日の器によく似合うと思います。


 
repair 12:10 comments(8)
下地
        

割れの数の多い修理を複数お預かりし、仕上げていく過程で
これまでの作業にいくつかの改善点があることに気づき、
蒔きの表面を丁寧に仕上げていくことを今まで以上に意識して取り組んでいます。

私は通常蒔いて仕上げる場合、接合に使った麦漆の余分のバリを取り除いた後、
錆漆でほつれを埋め、仕上げの研ぎのあと漆を数度かけてから蒔きます。
この方法ですと全ての線を均一に研ぎあげるまで、数工程をかけなければならず
表面も美しさを優先し漆を多くかけると、徐々に線が太くなってしまいます。
鏡面のような仕上げに余計な時間をかけてしまうことも多くありました。
今とりかかっているうつわも、初回に蒔いたときは線が太くなり、
また研ぎもばらばらで丁寧にとりかかったものの
散漫な印象に仕上がってしまいました。

蒔きは凹凸の影が目立つと荒々しく味が出すぎ、雑な印象になってしまいます。
それが似合うものもありますが、基本はできるだけ表面を平らに仕上げるのが
美しく見えるコツであり、また線のふくらみは古いものの場合、
厚みを持たせて仕上げると古典的な印象がより強調されて
直した部分が馴染みやすいように思います。

今回はきめ細かく繊細な印象の仕上げにしたかった高麗は炭パウダーを、
グラマラスな表情に仕上げたかった磁器は下地に錫粉をと使い分け、
最初に頭に浮かんだイメージに近づきました。

下地や漆をかける回数を器に合わせて考えるのは
またそれはそれで悩ましくもあるのですが
地の部分から重なる漆で蒔きの表情には深みが出ます。
接着剤で接合したものとはやはり大きな違いがあり、
仕上がってみれば見えない部分の大切さを強く感じます。


















 
repair 14:27 comments(0)
新しい年に
        

新しい年を迎えました。
Instagramやfacebook中心となり更新の少ないブログですが
昨年も多くの方に見ていただき、また継ぎをされる方が増えている中、
直しの依頼を多くいただき、本当にありがたく、心からお礼申し上げます。

修理依頼も、素朴な土ものはもちろん、作家の作品や古いものなど
今まで以上に種類や量が増え、
ひとつひとつ向き合いながら漆や蒔きの種類の選択、
長く使っていただくための工夫を
考えながら進めております。
木端微塵の器やばらばらになってしまった大皿や
ガラスも多く任せていただくようになり、
修理が完了したときの充実感を感じつつ、
時には必要な強度や線のバランスなど、
仕上がりのイメージが沸かず、
なかなか次に進まないこともありますが、
しかしそれも修理の面白さとして試行錯誤を楽しみながら作業をしています。

麦漆を作る際のグルテン配合、炭の使用、研磨の方法は
新たに試して実践しているものです。
ガラスはまだ正解が確定出来ず、問題に直面するたび悩んでいるので
今年はもう一歩進化した作業ができるように、意識して取り組みたいと思います。

去年は普段の籠り癖を返上し、積極的にならなければと
多くの方に会いに行き、とても刺激的な年になりました。
これからも繋がったご縁を大切にし、
また今年の目標として、実際に見聞きする学ぶ機会を
増やしていきたいと思っております。

本年もどうぞよろしくお願いします。



 
- 16:29 comments(0)
Shop card
                                                


とてもありがたいことに、山鳥のショップカードを
お世話になっているお店に置かせていただく事になりました。
表には屋号とブログサイトアドレス、
裏には直しの金額の目安を記載しております。


東京
 小鹿田焼(おんたやき)の器 sonomono -ソノモノ-

 SML エスエムエル

大阪
 株式会社 kaiぷらんにんぐ

 木と漆喰のショールーム「木色香」

松江
 objects



お声かけいただいた各店舗の皆様、ありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

 
repair 13:03 comments(1)
修理費について
うつわの修理の依頼をするとき、
修理費はいったいいくらになるのかというのは
特に気になる点ではないでしょうか。

ここ数年、手がける方も増えており、以前に比べて
金継ぎという言葉も浸透しているなと感じます。
修理費もどのような手順で直すかによって
大きな差があり、依頼する側としては何を基準に
判断してよいのかとても迷われるところではないかと思います。

金継ぎの値段で大部分を占めるのは
その手間とかかる期間です。

糊漆、麦漆など米粉や小麦粉と
漆を練った天然の接着剤は
破片を合わせてから次の作業が出来るまで
最低2週間はかかります。
その後、余分な接着剤を落とし、
小さなほつれを埋めるパテとなる
刻苧漆(こくそうるし)も
表面を美しく仕上げるための砥の粉と漆を混ぜた
錆漆(さびうるし)も
間に乾燥を挟み何日かあとに作業をします。
欠けを埋める場合、いっぺんに埋めてしまうと
厚めになる中心部分に
漆が乾く条件である湿気が届きにくいため
(漆は空気中の湿気と化学反応で乾燥します)
小さな欠けでも
最低2回以上に分けて作業をします。
うつわの修理はひと月以上かかるのですが
以上の通り漆の乾燥に時間がかかるのが
大きな理由です。






この器の場合、
破片2つと本体の接合、錫蒔き仕上げでした。
麦漆で割れを接合し、乾燥させ、
はみ出した部分を削り、
小さなほつれを埋め、下地漆、仕上げうるし2度、蒔き、
安定のための乾燥という手順になります。
以上の作業の算出基準として、
1cmあたり400円の作業費と
錫蒔きの場合は一割加算していただいています。

安くできる簡易金継ぎもある中で
漆素材の修理にこだわる理由は、
漆仕上げにした場合の美しさです。
麦漆、錆漆、仕上げ漆と重ね、埋まった欠けは
漆の深みを味わえる素朴な直しとなり、
特に民藝の流れを汲む窯の器に
落ち着いた漆の直しはとてもよく合います。



買った値段より高くなってしまうことが多いので
お問合せいただいた場合、
迷われたら直すことを勧めてはいません。
ですが値段で簡易金継ぎを選ばれるより
より漆の美しさを楽しんでいただける
昔からの素材を使った直しをおすすめしたいと思います。








 
repair 21:31 comments(3)
手本



先日お預かりしたのは、直しが剥離した部分の再接合依頼の急須でした。
接合の作業はさほど難しくないのですが、注ぎ口の根元のため接着した後、
直した内側に水分の侵入を避けるためのカバーとなる仕上げの塗りが
出来ません。また元々施されていた直しがとても美しく、取れた部分に残る
金の部分と違和感ないタイミングで蒔きを仕上げなくてはいけないこと、
剥離した際、小さくかけた部分をはみ出さずに埋めることをクリアする
必要がありました。

最初の課題である、内側からの塗りがなくてもある程度耐性のある
接着方法は、参考にしているサイトで調べたところ、麦漆の水分調整で
クリアすることが分かったので、配合に注意することで解決しました。
サイトのデータではかなりの強度が見込まれるのですがあくまで
目安ですので、使っていただいて確かめていただくしかなく、
これは今後の課題でもあります。

小さくかけた部分は粘度のある仕上げの漆を数回に分け
塗り埋めることで目立たなくすることが出来ました。

そして最後に取れた部分の線からはみ出さないよう
仕上げの線を塗り、金を蒔くタイミングを計ったのですが
この時期は湿度や気温が日によって大きく違い、
蒔くタイミングを見逃さないようにするのがとても難しかったです。
というのも、早く蒔くと漆が沈んでしまい、艶消しのような色に
仕上がってしまいます。とても上手な直しでしたので
線はどれも美しく、これから長く使っていただくためにも
全体の雰囲気から極力はみ出さない仕上げになるよう、
何度かやり直しをして漸くお渡しできる段階にこぎつけました。

今回お預かりした急須は島岡達三さんの作で、
自分で所有する機会のない物の直しはとても刺激的でした。
また縁や蓋の部分、口の部分の仕上げが滑らかで本当に美しく、
今後の自分の指針となり、
意識の上でもかなり大きな転換になりました。












 
repair 16:50 comments(1)
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